<ネタバレ>初めてこの映画のレビューを投稿したのはもう三年近く前ですが、 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>初めてこの映画のレビューを投稿したのはもう三年近く前ですが、三年というのは一本の映画に対する評価を大きく変えるのに十分すぎる時間のようです・・・というのも、その最初のレビューで、僕はこの作品に6点という得点をつけたからです(苦笑)。
最近になって久しぶりにDVDを引っ張り出して見返してみたのですが、いや面白い面白い。キューブリックの徹底的なこだわりによる、あの無機的とも感じられるような映像美が、冷やりとした怖さを醸し出していて、ネタを知っていたにも関わらず見事に作品世界に取り込まれてしまいました。
最初に見た時は、僕はたぶんストーリーや(オーバールック・ホテルの「住人たち」の登場のさせ方といった)道具立てやその用い方といった部分のみを追っていて、上記のような「言語的な部分以外の持ち味」といったものをも含めた「面白さ」に目が行っていなかったのだと思います(確か最初のレビューでは「ラストが余りにもチープであり安易ではないか」という趣旨の事を書いていました)。これには、僕がキングの原作を先に読んでいたことが、大きく関係していると思います。原作にあった筋運びや道具立ての巧みさを基準にしていたために、最初は上のような見方をしていたのかもしれません。
今となっては、自分がラスト辺りの一体どこに「チープさ」を感じていたのか知るべくもありませんが、現在はこの作品も大好きとなりました。遅ればせながら、この監督の「凄み」といったものを再確認した次第です。