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<ネタバレ>売れないコメディアンの夫ヨンギ(イ・ジョンジェ)と妻のジョンヨン(イ・ヨンエ)。妻は病気で余命わずかという事を夫に悟られまいとし、夫は妻の病気を知るが、それを知らないフリをする・・。
夫を支える妻の献身的な愛が痛いほど伝わってくる。病気を知られまいと、気丈に振舞う妻の姿。ジョンヨンは、映画の中で、ずっとヨンギを怒っている。でも、夫ヨンギの出演しているテレビをビデオに撮り、繰り返し観ている時の表情の優しさ・・。クライマックス、観客席で夫の漫才を見つめている時の表情の優しさ・・。
名前の似ている夫役のイ・ジョンジェもどこかで観たことある、と思っていたら、『イルマーレ』や『インタビュー』に出ていた人ですね。
2人の間の若くして亡くなった子供、両親との確執、病気で亡くなった母などのミニエピソードが、意外と詳しく「描かれていない」と思うのですが、そのあたりもいろいろと想像力をかきたてるいい材料になったのかも。
詐欺師の2人組がメチャいい感じ。若い頃の舘ひろしをちょっと崩したような感じの男と、おにぎりみたいな顔の男。この2人が感動へのいいスパイスになってます。
お墓の形態(息子の、ではなくお母さんのお墓の方)や、病気なのに何度も家に帰る等の韓国の風習は、ちょっと分かりにくいと思うのですが、そのあたりはパンフを読んで勉強になりました。心臓止まってるじゃん、とかいう突っ込みはあったんですが(笑)。
夫ヨンギの依頼で、詐欺師2人が探す、ジョンヨンの初恋の人。このエピソードで友達を出して、それが別の人と分かって、最後に2人組が、あのセリフを言わずにいて・・という風だったら、ラストの1カットはもっと良かったと個人的には思うのですが。
原題は「贈り物」。最後に出てくる「ラスト・プレゼント」の仕掛けもなんだか気持ちよくて、悲しい映画なんだけれど、すがすがしい。温かい、温かい映画。韓国では「カップルで観たい映画ナンバーワン」に選ばれた映画。大切な人と観たい一本。
「泣ける映画」というのもありますが、「温かい映画」ともいえます。