<ネタバレ>兄に憧れ、喧嘩や遊びにあけくれる弟ラスティジェームスをマット .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>兄に憧れ、喧嘩や遊びにあけくれる弟ラスティジェームスをマットディロン、カリスマ性を持ち、カリフォルニアから戻ってきた兄モーターサイクルボーイをミッキーロークが演じた。昔はその名を轟かせるリーダーだった兄も、暫くぶりに戻ってきたら別人のようになっていた。それに戸惑った弟。彼女に浮気がばれ、彼女も仲間に奪われ理想の兄も想像と変わっていた。そんな弟の葛藤を、マットディロンが見事に演じていた。しかし、やっぱり兄役のミッキーロークがすっごくカッコいい!喧嘩にあけくれる弟を1段上の視点から見守る様が素晴らしい。俺には兄弟はいないが、兄に憧れた事のある弟ならばなおの事共感出来るのではないだろうか?喧嘩に加担しなかった兄が、弟を刺した相手をボコボコにするシーンが何故か強烈に脳裏に焼きついた。
全編モノクロなのは兄のモーターサイクルボーイが色盲で難聴という設定だからだろう。その他にもデニスホッパー、ニコラスケイジ、ダイアンレインなどスターがかなり出ている。地味な内容だが最後が印象的。ネタバレになりそうだが、ペットショップで檻の中のランブルフィッシュを逃がしてやろうとする兄は、つまりこの狭く荒み切った街から、弟を逃がしてやる比喩めいたものを感じた。そして兄の最後のセリフ。「俺のバイクに乗って海岸へ走れ」は、まさしく水槽の中の魚が海に帰る事、自由になる事と、弟の自由に生きろとの、兄の最後のメッセージそのものだったのであろう。「アウトサイダー」よりも暗く、分かりづらいシーンもあったが、それでもコッポラの青春映画は完成度が非常に高いと思った。[良:1票]