<ネタバレ>認知症。デイサービスで働いていた時に認知症の方とはたくさん関 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>認知症。デイサービスで働いていた時に認知症の方とはたくさん関わってきましたが、「家族」として認知症の人と暮らすと言うと全然レベルの違う苦労があるんだろうなと思ってしまった。この映画はとても素敵で、認知症の父との思い出に浸れる感動的な話になっていましたが、実際はもっと地味で、もっと醜いことも起こる、そう言う病気だと思います。父(=山崎努さん)を一時的に一人で面倒を見ることになった次女(=蒼井優さん)が父を寝かしつけた後で、「はー、お母さんすっごいわ。これを毎日やってるなんて」と姉にこぼしたシーンが、実際の家族介護現場の大変さを表せていると思います。絶対大変ですよね。この映画のように、変化していく不安定な認知症の家族をしっかり支え優しく見守る家族には尊敬しかない。みんながみんなこんな風に出来たら理想なんでしょうね。。。
映画の中で、認知症になった父に娘達は自分たちの悩みをぶつけていきます。認知症の父はなんの話かよくわかっていないので、さしてリアクションも、もちろん有益なアドバイスもくれはしないんですが、お構いなく悩み相談室を続ける娘二人。地蔵に悩みを語るように、でもそれはお父さんで、でもお父さんは認知症で、でもそんな状態だから色々語りかけてみたくなる、そんな気持ちもすごく伝わる映画でした。現役のお父さんにはなかなか言えない雰囲気だったんでしょうね。でも認知症になったことで逆に聞いてもらいやすくなる。それが面白いですね。確かに自分も、自分の両親に悩みらしい悩みなんで打ち明けたことありませんが、もし認知症になってしまって会話もままならなくなってしまったら、ふとした時に逆に何かを語りたくなるかもしれません。
次女の恋愛とか、長女(竹内結子さん)の息子の話なんかは少し蛇足だったかな。たかしが不登校になった理由も結局不明で、「あれなんだったん?」感が半端ない。個人的にはタカシもおじいちゃんお見舞いに行ってあげて欲しかったかな。