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<ネタバレ>何かの雑誌の【歴代SF映画トップ10】という記事でこの映画が1位になってたので、興味を持って観賞しました。観終わっての感想は、良くも悪くも自分の「SF」という固定観念から大きく異なっていた作品だったということです。全体的にとても叙情的だったのがまず印象的でした。とても情緒のある音楽が流れる中、主人公デッカード(=ハリソン・フォードさん)の心の声をそのままナレーションしていく手法は、地味ながら芸術的な詩のようなゆったりした雰囲気で、「これはSFなのか!?」と自問自答しながら観ていました。
観賞前に作品タイトルから受けていた印象は、もっとアクションシーン満載の痛快バトルSFみたいなものを想像していました。映像としては確かに30年近く前に作られたと思えない世界観でこちらを圧倒してくれました。建物や背景などもとてもディティールに凝っていて、実は自分の生まれ年の映画なのですが、そんな時期の映画とはとても思えなかったです。しかしその実内容のほうはSFと言うより江國かおりの小説を読んでいるよう。そのギャップに驚かされました。が・・・
あくまで個人レベルでこれを楽しめたかと言うと、それほどでもなかったかな、と。やっぱり自分が期待していたSFではなかったことが大きかった気がします。上述のようにバリバリのアクションを期待していたものとしては肩透かしだったかな。『ブレードランナー』なんてタイトル、そりゃアクションだと思うだろう・・・(苦笑)
しかし、この時代でここまで日本をフィーチャーされた映画も珍しいなっていう視点ではとても楽しんで観ることができました。良作だと思います。
追記:すみません。これだけは言いたいのですが、かつての上司に現場復帰を請われるほどの人物にしては、デッカードが弱すぎる。いつやられててもおかしくなかった。「元エリートブレードランナー」の片鱗も見れなかったのは、デッカードというキャラの設定上、物足りない印象がぬぐえない、マイナス点だったと思います。