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<ネタバレ>この映画に出てくる日本人を見ていて妙にみかついた人もたくさんいたのではないでしょうか?しかし残念。これが日本人なのです。つい先日、普通に道を歩く外人に対しおそらく修学旅行中の学生たちが「ぴくちゃー、ぴくちゃ-!」とわめきながら勝手にその人たちの写真を撮ってそのままどっかに行ってしまいました。残された外人の旅行者たちは唖然としながら一言、"What was that?(なんだあれは!?)"。代わりに謝罪いたします。すみませんでした。
「キルビル」みたいな日本人像は問題外ですが、この映画の日本人描写は巧妙かつ確かなものです。英語をしゃべれない人ほど「通じればいいねん」とか「ジェスチャーだけでも大丈夫」とか言いますが、そういう人が実際英語をしゃべらないといけない環境に置かれるとこの映画の日本人のようになります。作中、何度自分が映画の中に入って代わりに通訳してあげたいと思ったことか。と、まあ日本人批判が長くなってしまいましたが映画自体は素晴らしいの一言に尽きます。日本の中心地「トウキョウ」の繁栄の裏に隠された空虚さが滲み出ています。オレ自身、急に時間が空いて東京を一人でぶらつく時間があったことがあるのですが、全てがあるようで何もない街です。少し街を歩いてもうあとは明治神宮で時間をつぶしました。そのぐらい東京という街はからっぽです(東京にお住まいの方すみません)。そしてそんな空虚さを映画で表してくれたのが日本人ではなく海の向こうからやってきたソフィア・コッポラという名の映画監督だというこの皮肉。それだけでも充分面白い作品だと思います。日本という土地で自分自身を見つめなおすシャーロットとボブにならって、私たちも日本人として自分を見つめなおしたいものですね。強くそう感じた作品でした。[良:1票]