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手法についてはやっぱり満点というわけにはいかないかもしれない。基本的に演技力がないのをごまかしているように見える。もちろん時に神がかった演技、というか唯一無比の存在感を放つんだけど。
それはそれであり、いやかなりありなんだけど。それから結末がすごすぎて評価が分かれると思いますが、結末やセルマの行動というより、この監督の「アメリカの描き方」なんではないか。
セルマに手を差し伸べる人も少なくないのに、いくら自己破滅型とはいえ少しばかり事情をくんでやる気はないのかなと思うほどのひどい仕打ち。自己犠牲なんて浪花節は一切通用せずまとめて事務的に処理してしまう、そんな「アメリカそのもの」が言いたかったのかなあと思うと、やはり背筋が凍る思いです。ただ障害があるし心優しいしそれが何らかの形で報われるのよ、というありがちなのも、それはそれでどうかと思うのであるが。