<ネタバレ>SF的な部分はクローンというだけで、それ以外はクラシカルな雰 .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>SF的な部分はクローンというだけで、それ以外はクラシカルな雰囲気でグレーの制服が上品で風景も美しく、イギリス上流階級の物語のような語り口ですね。
暴動が起きることもなく淡々と話が進んでいくのが逆に切なく哀しく、残酷に感じました。「提供」「終了」という事務的な表現も冷めてはいるけどなぜか嫌悪感はなく、むしろ上手い言い方だなと。
例の猶予の噂を噂と言いながら、最後の望みとしてマダムを訪ねるキャシーとトミーが哀し過ぎです。
ガラス越しに手術台を見つめるキャシーの思い出で寄宿学校にいた頃からの3人が語られる、これもまた淡々としていて喜怒哀楽もそれほど感じないんですが、ここで大いに感情移入させられて鑑賞後の私自身の落ち込みを想像するとあれでよかったのかもと思ってしまった。
生あるものは全て終わりが来るのはわかっているけど、自分のクローンまで用意するほどの生への執着てなんなのかしらね。
キャシーとトミーも二人の今の時間を少しでも長く持ちたいとなった時、噂でしかない「猶予」に望みを託す。
生きている時間は限られている、生きてるだけで良し勝ちとか、だから大事に意味ある時間にしましょうというよりも、何が生への執着になるのかということを思ったし感じたし、でもどうあろうがどうしようが人はみんな遅かれ早かれ例外なく死ぬってことを強く再確認させられたような気がします。[良:1票]