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<ネタバレ>う~ん、なんだろう?この映画。歴史的事実を映画化するするときによく陥りやすい失敗をしてしまったような気がしてならない。確かにキリストの死というのは歴史上、大きな出来事であったとは思うが、逆にそのテーマがあまりにも重いため内容が完全に負けてしまっている。この映画で見ることができるのは、ただキリストが散々痛めつけられている姿だけ。何もあそこまで見せなくてもと思うほどリンチの嵐で、そりゃあアメリカ人のばあちゃんやブラジル人の牧師も死ぬわなと思うほど壮絶なものだ。この映画を見ているときにメル・ギブソンってユダヤ人に恨みでもあるのかと一瞬思ってしまうほどだったし、そこに意識が行きすぎているからこそ内容がすっからかんになってしまったんじゃないかなと思う。しかしアメリカの映画館では観客のほとんどが泣いていたのは少々驚きだ。たぶんそれは絵的に痛々しいということではなく歴史上の事実を改めて考えさせられたからであろう。私も思わず泣きそうになってしまったが、それは単に暴力描写があまりにも痛々しいからであって、その辺がキリスト教を信仰している人達との違いであり、私がこの映画に感情移入できない理由でもあった。よって個人的な評価はキリストには悪いがあまりいい点数は差し上げれません。そう言えば一緒に観に行った看護婦の女の子が言ってたなあ…、「人間はあんなに殴られたら普通死んでるよ」やっぱりキリストって人間を超越した存在だったんだ…。[良:1票]