私の中のちっぽけな倫理観として。人が山ほど殺される映画に、「 .. >(続きを読む)
私の中のちっぽけな倫理観として。人が山ほど殺される映画に、「たのしー」「おもしろーい」と熱狂できない、というのがある。特に実話ベースの場合には(当たり前すぎるかもしれないけれど)。でも、この映画を見たとき、それが一瞬揺らぎそうになった。圧倒的なスピード感、スリリングなドラマ性、洗練されたカメラワーク、激情的な音楽のリズム……どれもが誰かを何かに駆り立てるようなパワーを孕んでいて、思わず私も、何も考えずに頭をブチ抜くキッズを笑いながら見て彼らの生死ゲームを楽しんじゃったり、手に汗握る抗争劇にジェットコースターに乗ったときみたいな超ハイな歓声あげて魅入ったりしそうに…………は、ならなかったけど。やっぱり、子供が子供を殺すことが、こんなきれいなエンターテイメントで語られちゃマズよ、という自分の中のクビキは確かに存在。でもカッコいいものはカッコいい!スタイリッシュ!という映像への賛美も。こんな感情の「ないまぜ」が生まれるのが、きっと「衝撃作」ということなんだろうな。