<ネタバレ>昔のドラマ、原作、新しいドラマ、そしてこの映画と、この順に見 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>昔のドラマ、原作、新しいドラマ、そしてこの映画と、この順に見たり読んだりしました。その中で、私としては、この映画が一番です(といっても7点だけど)。この映画の一番良いところは、財前教授勝訴で終わり、癌で死ぬ場面がカットされている点。財前教授が癌で死ぬというストーリーは、「悪者は最後に罰を受ける」をやらないと気が済まない偏狭な正義の味方主義。それに、2時間程度ですむものを、ドラマでは無理して引き延ばしている感があります。私には、新ドラマは、石坂浩二と黒木瞳しか芝居ができる人が出てないし、あの裁判で財前助教授が負けるのが全くリアリティに欠けるし散々だっただけに、改めてこの映画を見て、原作の良さに納得。やはりきちんと作ると、リアリティもそこそこだし。◆ただ、皆さんの評価を見ていると、制作時の時代背景というか、見る人の年齢層にもよって、行間を埋められるかどうかが異なり、評価は変わるような気がします。当時の人は、財前助教授に共感しつつ、里見助教授にはどこか反発してみていたのですよ。なにしろ、財前助教授の強烈な上昇志向は、昭和40年代はみんなが大なり小なり共有していましたから。今見ると、怒りの葡萄や東京物語も退屈だ。おやじのノスタルジーかよ。ただ、もう少し、脚本や俳優がまともなら、新ドラマもまともなものになったと思いますが…。