<ネタバレ>本作が高評価であった理由のひとつに舞台がインド、オールロケで .. >(続きを読む)
<ネタバレ>本作が高評価であった理由のひとつに舞台がインド、オールロケでスラムで生きる子供達の過酷な現実を鮮烈に描写していること、インドの暑さ、湿気、臭い、体臭、そんなものまで漂ってきそうな生々しさが非常に新鮮だったのだと思います。
連想するのが「シティ・オブ・ゴット」です。これはブラジルのスラム街でたくましく生きる子供達の生き様をオブラートにくるむことなくリアルに描いた作品でした。それのインド版というところでしょうか。
で、鑑賞前に非常に高い評価を知ってしまったのでどうしても期待が高くなってしまったのですが、結論から言うと、思ったほどではなかったかなというのが正直なところです。
基本的には社会の底辺にいた若者が自らの才覚と運命の導きによって一攫千金を得るという大筋に様々なドラマの枝葉がついているというのは、舞台がインドでなければならないとう必然性もそれ程感じません。
ただ、そんな特別新味のないストーリーでも、ダニー・ボイルの手で映像化されると此程までにスタイリッシュで、何処を切り取っても隙のない世界観が出来上がってしまうのは敬服するほか有りません。
本作は低予算ということで、ギャラの高いスターも出ていないしVFXや金のかかる派手なアクションも無いのですが、1カット1カットに非常に手間を掛け吟味に吟味を重ねて編集しているのがよくわかります。こういうところは最近好調な邦画と比べても、別次元のクオリティと言わざるを得ないと思います。