フランク・ダラボンなのでどうせ泣かせる仕掛けはしっかり出来て .. >(続きを読む)[良:3票]
フランク・ダラボンなのでどうせ泣かせる仕掛けはしっかり出来ているんだろうとナナメに構えていたが、やっぱり巻き込まれてうっかり涙してしまうあたり、さすがはダラボンだなぁと妙に尊敬させられてしまった。「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」ほど設定に無理なあざとさがないのも良い。ファンタジーとしてありがちなストーリーだとは思うのだが、主演にジム・キャリー、背景に戦争とハリウッドの赤狩りを持って来たところが物語に奥行きを加えることに成功した。平和ボケ日本人にはもう一つピンと来ないのかも知れないが、アメリカ人が常に政治に真剣であらざるを得ないことの背景には、自分の一票が自分自身や家族、友人の誰かが戦場に赴くことに直結しているという重さがある。赤狩り自体を省みるという観点以上に、全く戦闘シーンのない戦争映画として、あるいは国を動かしているのが一人一人の国民であるという基本原則に立ち返らせる呼びかけとして、偶然とは思うが9・11テロ直後のアメリカでこの映画が公開されたことは非常に興味深い。プロバガンダだ、大衆操作だと言われているが、9・11テロでアメリカが戦争に向けて浮き足立っているタイミングでこの映画を公開できるだけの自由がかの国にはある。それだけでも、素晴らしいことだと思う。[良:3票]