正直、それほど賭けてたワケではない期待と、作品の出来とが上手 .. >(続きを読む)
正直、それほど賭けてたワケではない期待と、作品の出来とが上手く噛み合って、ほどほどにお値ごろ感のある作品でした。要は大した作品じゃぁないな、ってことなんですけど。古き良き時代のハリウッドお家芸的歴史物超大作の流れとして見れば、今の技術でもう1度これをやってくれるというのは楽しいことではある。原作が書かれたのが3000年近く前ということで、ストーリーがあまりにも陳腐なのは仕方がないし、それを敢えてベタベタのまんまやっちゃったペーターゼン監督の無欲さに感涙。やっぱりこの人、壮大なスケール感だけで食べているだけのことはあって、それなりに壮大なスケール感だけはある。つまるところ、当代きっての色男であるブラピが、ハンサムなだけじゃなくてカラダも素晴らしく運動神経も抜群であるぞ、というだけの映画なんだけど、しっかりアキレス腱を射ぬかれるシーンなんかもうギャグとしか思えずすっかり爆笑してしまった。冴えていたのはヘクトル役を演じたエリック・バナ。「ブラックホーク・ダウン」でも一人輝いていたが、彼のいかにも知的な風貌に違和感すら感じられるマッチョな肉体のアンビバレンスは今後、かなりの需要が見込まれる。残念ながらトロイのヘレンにもう一つ華が足りないとか、中盤までの大戦争スペクタクルに比べて肝心のクライマックスがイマイチ地味だったりとか、言い出したらキリがないけどまあまあ楽しめる普通のアクション史劇だったのではないかと思う。心配していたブラピの(カン高い)声も、本編ではちゃんとイコライザー+リバーヴ処理されており、さほどの違和感はなかったです。あと、エリック・バナとサフロン・バローズの夫婦役って、あまりにも似合いすぎてて洒落んなってないと思いました。戦争映画好きにはまあまあ楽しめる作品だったと思います。