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<ネタバレ>この映画って、コロンビアとの合作だけど、やっぱりアメリカの映画だよな。話がアメリカに移ってから出てくる人々、たとえば格安料金でニューヨークまで運んでくれるタクシーの運ちゃん、ルーシーお姉さん、病院の先生、そして仕事まで手配してくれようとしてるおっちゃん。そういう意味もなく親切な人々が、いちいち豊かなアメリカを象徴していて、ちょっと笑ってしまった。そんなにいいところでもないだろうよ、と。でも一方で、そのことが主人公がリスクを犯してアメリカにやってきたことの報いになっているのだとすれば、それはそれで悪くない演出だとも思った。
それにしても人間というのは、自分の人生を変えるために、こんなにも大変な思いをしなければならないのか。主人公はとんでもないリスクを犯して新しい人生を踏み出したわけだが、あとから考えれば、そんな犯罪なんぞに手を染めなくても人生変えられたんじゃないんだろうかと思ってしまう。でも、そのときに何かのきっかけ無しにはそうできないからこそ、人間なのだろうな。そう考えると、これはコロンビアの貧しさの現実を描いたローカルな映画でありながら、人生の転機を描いた普遍的な映画でもあるのかもしれない。