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<ネタバレ>飛行機にて鑑賞。事実に忠実にということだろうか、道徳的な観点が極力排除されていて、ムリヤリな感動を呼ばないつくりが「スラムドッグ$ミリオネア」と対照的だと思った。たとえばサルーはすごくいい子だからいい家族に引き取られたというような誘導はなくそこは淡々と「たまたま」が描かれているし、あるいは大人になったサルーが何不自由なく育てられたことに恥ずかしさやうしろめたさを感じているかというとそうではなく、サルーが出自を明らかにしたいと願う背景にはただ単に自分の中にある穴を埋めたいという思いしか描かれていない。なので全体を通じてドラマティックな映画にはなっていないが、その分最後の感動が純粋なものになっていると思った。
一方、弟のマントッシュや恋人のルーシーとの関係は、ぶっちゃけストーリーとなんの関係もないのにもかかわらず、こちらも淡々とそれなりのボリュームで描かれてしまっていて、それっているの?と思ってしまった。
そして、それにしてもいつもニコールの存在感と演技は素晴らしい。