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<ネタバレ>このX-MENの世界ではミュータントはいわゆる社会的マイノリティである。アメリカ人は反・ミュータントデモなんかを各地で起こしているし、政治においてもミュータントを排除する方向性で動いていたりする。今作はリンカーン大統領の演説から映画が始まったり、アイスマンが実は自分がミュータントであることを両親にカミングアウトするシーンを見ると、明らかに社会的マイノリティを意識したテーマがこの映画の根底にあることが分かる。ミュータントに対する偏見・無理解は現実の我々の姿勢にも当てはまるものだし、アメコミという子供のためのエンターテイメントにこのような社会問題を織り込んでいるのは相変わらず興味深い。監督のブライアン・ジンガー自身、同性愛者であることをカミングアウトしているから、こういう問題について語らせたら説得力がある。ただ、彼には悪いが実際エンターテイメントとして見るとそれほど出来が良いとは思えなかった。この映画はとにかく分かりづらいのだ。キャラクターが多すぎる上に、人間、善玉ミュータント、悪玉ミュータントという三つ巴がごちゃごちゃに入り混じって混乱しすぎ。パイロが悪玉ミュータントについて行ってしまう理由は全然分からないし、(個人的にはこんな行動を取ったパイロは、後に重要な位置を占めると思う。)ジーンの自己犠牲の精神は後からプロフェッサーが「あの娘は昔は…」と説明するだけ。そして、ストーリーに色々と詰め込みすぎた結果、X-MENたちのアクションシーンもかなり削られてしまったように思う。ただ、そんな中活躍していたのは新しいキャラクターで瞬間移動のできるナイト・クロウウラーと悪玉ミュータントで誰にでも変装できるミスティークの2人。新人と敵の一味が活躍しちゃっているこの映画、X-MENというタイトルが虚しいとは思いませんか…?