映画が何か大事なものを教えてくれる、という段階に来たのは、た .. >(続きを読む)[良:3票]
映画が何か大事なものを教えてくれる、という段階に来たのは、たぶん中学2年の終わりのことだったと思う。
私の母校の中学では、毎年、卒業記念の映画上映会というのがあって、どんな映画を上映するかは既に選出されている次期生徒会役員の2年生が選ぶ習慣があった。
当時、生徒会長に選出されたばかりの私が強く押したのは「スタンド・バイ・ミー」。
その映画をその時、まだ観たことはなかったけれど、これはかなり直感的に観てみたいと強く思った。なぜか。
子供の頃、直感でアニメ「白鳥の湖」に失敗した私だが、「スタンド・バイ・ミー」は大正解だった。
卒業を前にした上映会にふさわしい、ノスタルジックな青春もの。
今でこそノスタルジックと言えるのだが、当時は、リアルタイムに映画の中の登場人物にかぶってくる年頃。いずれ、これをノスタルジックという想いを持って眺めるようになるに違いないという予感が切ないのだ。
今まさに、この瞬間がノスタルジーの対象となることを自覚しながら、もっと高くへ、もっと遠くへ、と少しずつ踏み切り台に向かう中学生だった私達。
この映画セレクトは、生徒にも先生にも大好評だった。
今でも同級生と話題にすることがあるけれど、この映画を当時の全校生徒と共有できたという事実に幸せを感じる。[良:3票]