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端から見れば私は中毒とも言えるほどの仕事人間だろう。平日の時間のすごし方と言えば、朝は9時から夜は2時まで働いて、家にも帰らずホテルで寝るだけ。週末も半分は仕事。もちろんその分稼ぎは悪くない。そしてもちろん独り身である。
決してこの映画にケチをつけるつもりはない。なかなか私の好みの映画だ。
とはいえ「仕事か?家庭か?」なんて、くだらない問いをするのは、現実を見誤る。そのどちらが幸せか?それも至極くだらない。主人公の喉には過去の小骨が引っかかっていた。「もしもあのとき」や「ひょっとしたら」を繰り返し、そして遂に、その答えを確かめてみる。過去に分岐などない。あるのは未来の決断だけ。取り返しがつかないと決め付けている事を、取り返すかどうかが重要だ。そういう意味で、私の喉に小骨はないかと唾を飲んでみた。[良:1票]