芝居を中断して観客に向かって語りかけるとか、会話を本心に翻訳 .. >(続きを読む)[良:2票]
芝居を中断して観客に向かって語りかけるとか、会話を本心に翻訳した字幕が出るとか、空想や妄想、過去なんかがザッピングするとか、そういった試みも小気味がいい。
台詞そのもののセンスの良さや、作品全体のこじゃれた空気も楽しい。
人が人を好きになるときって、ただちょっとした空気感、リズム、テンポみたいなものに依存している気がする。
かたちのないもの、説明のつかないものをきっかけに、出逢って深く関わり合い、離れがたくなるのはなぜだろう。
そしてまた、気まぐれにすれ違い、心離れていくのはなぜだろう。
いっぱいの人とデートしたけど、100人いたら100人違った。私と相手の間で起こるささやかな風の向きが違った。よく分からないけど、彼だといい感じ。なんだかぴったりなの。なぜって、うまく説明できなくっても。
この映画はありふれた恋に似ている。
小さなラブストーリーを描くこの映画の空気感そのものが、いわば恋のかわいらしさ、愛おしさ、可笑しさ、哀しさに似ている。[良:2票]