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<ネタバレ>伊丹映画の中では私にとってNo.1の作品。井川比佐志演じる“走る男”が臨終の床にある妻に「かあちゃん、飯だ!飯作れ!」と呼びかける。覚醒した妻はふらつきながら立ちあがり、ネギきざんで鍋ふって炒飯作って、「うまいな!」と皆が食べる姿を見て微笑みながらちゃぶ台にゴトンとぶつかって事切れる。子ども達は泣き出すのだが、「かあちゃんの最後の飯だ!泣くな!食え!」と“走る男”が炒飯を頬張る姿が胸に焼き付いている。そして、何より忘れられないのがラーメンの先生“大友柳太朗”のシーン。生真面目で誠実そうなおじいさん役の人として大好きな役者さんだったが、粋な着流し姿、豪快な立ち回り・独特な台詞まわしでニカッと決める丹下左膳を見た時は惚れなおした。この映画が遺作となってしまうとは…一生涯役者としての人生を全うする為に選んだにしてはあまりに悲しすぎる最期。その存在感は素晴らしいものでした。合掌。[良:2票]