ある青年が骨董市で出品された大量の写真のネガを落札した。現像 .. >(続きを読む)
ある青年が骨董市で出品された大量の写真のネガを落札した。現像してみると素晴らしい写真の数々だったので、審美眼に自信があったその青年は写真を美術館に持ち込むが門前払いを食らってしまう。そこでブログにアップすると一躍大評判に。映画はその写真を撮った謎の女性、ヴィヴィアン・マイヤーについて調査するドキュメンタリー映画です。
写真の素晴らしさとその撮影者ヴィヴィアンの謎に満ちた生涯もさることながら、写真を「発掘」したこの青年、ジョン・マルーフという男もまた実にユニークだ。ヴィヴィアンの写真を広く知らしめ、ついにはこの映画まで作ってしまった。マルーフは話が上手く映像映えのする男で、基本関係者インタビューばかりのこの映画では案内役としてもっと画面に登場しても良かったと思う。特にヴィヴィアンの人物像に迫る中盤以降は同じ画面ヅラばかりでちょっとダレてくる。
とはいえこれはドキュメンタリーとして秀逸だ。世間に埋もれたまま生涯を終えたアーティストを美しい映像と事実の積み重ねで紹介する。ミステリアスなヴィヴィアンの魅力もさることながら、それを掘り起こしたマルーフのセンスと行動力に脱帽する。