<ネタバレ>原作の大ファンだったため、かえって敬遠していた作品。最近意を .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>原作の大ファンだったため、かえって敬遠していた作品。最近意を決して見てみました。結論から言うとやはり予想通り、中井貴一は重蔵のイメージではなかった。風間五平には野望のために平気で仲間を売る冷酷さ、伊賀全部を敵に回しても斬り抜ける不遜な自信というのが表現されていなかった。これでは単に可哀想なやつではないか。あと五平役の上川隆也には申し訳ないが、再三美貌を強調されるキャラとしては少し見た目に説得力が足りなかった。女性2人はほぼ原作のイメージどおり。摩利支天洞玄の永澤俊矢も良かった。映画全体にはとにかく時代背景を説明するためだけの無駄なシーンが多い。「歴史に詳しくない人にも分かるように」という配慮は無用だと思う。その分小萩に関するプロットがずいぶん省かれていて、時間上仕方ないとはいえ、これでは映画だけ見ている人にはあの2人が惹かれ合う理由が分からないのではないか。原作では死なない木さるを死なせたのはそのためだったのか。もともと司馬文学はあっと驚くストーリーがあるわけではなく、歴史に翻弄される人間描写が全て。この作品は人間描写が甘かった。映画としては3点。女優2人と永澤、あと凄みのある服部半蔵を演じた根津甚八に+1。[良:1票]