史実物として考えたら賛否両論があるかもしれないけれど、これぞ .. >(続きを読む)
史実物として考えたら賛否両論があるかもしれないけれど、これぞ映画であり一度は見ておいて間違いないくらいの稀有なる作品だと思う。西洋人からみた中国の神秘や憧れといった一種の東洋趣味が目立つものの、それがかえってこの作品のスケールや映像美につながっているように感じる。特に紫禁城での壮大なロケシーンは圧巻。CGなどのVFX技術が発達しても、実写のリアリティには遠く及ばないことを教えられる。音楽もそうだし照明や衣装小道具、ロケハンも職人芸だ。 実際の史実からは「?」と感ずる部分も多い。しかし外の世界から見た近代東アジア史の映画はそう多くないので興味深いです。数奇な人生を送った愛親覚羅溥儀の物語は西洋人には全体像をつかみにくいかもしれないけれど、ナレーションも無く淡々と進行する流れが逆に彼の人生を象徴しているように感じました。 印象的なシーンはいっぱいあったけど、オープニングとエンディングはそのなかでも強烈だった。良い悪いではなく、ただただ「凄い映画」ですね。