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<ネタバレ>中学の頃にテレビで見て以来(約四半世紀ぶり)にDVDで再見。今見ると少し単調に感じるかもと思っていたのだが、最初から最後まで目が離せず、すごく面白かった。サスペンスとしての完成度が非常に高く、とてもテレビドラマとして作られたものとは思えないほどで、若きスピルバーグの才能の片鱗を感じさせる。昔見た時は追ってくるタンクローリーの運転手の顔が画面に一切映らないことに若干の違和感を感じたりもしたが、今回久しぶりに見てみるとそのことによってタンクローリー自体が怪物のように描写されていて、運転手の顔が映らないことでよけいに恐怖感が出ていて、効果的だ。(特典映像の監督インタビューを見るとタンクローリーを怪獣のように見せたかったとのこと。)また、追われるセールスマン(デニス・ウィーバー)の心理描写も巧みで、とくにドライブインのシーンは主人公の置かれた緊迫した心理状態をうまく表していて見事だった。(昔見た時はそれほど印象に残らないシーンだったのに。)遮断機の閉まった踏切に押し込まれそうになるシーンや、主人公のいる電話ボックスにタンクローリーが突っ込んでくるシーン、それに主人公の車がオーバーヒートするシーンはやはり今見ても手に汗握ってドキドキしながら見ることができた。メインの登場人物をほぼ主人公ひとりに限定していて、内容も単純でシンプルなのだが、逆にそれがよく、題材も身近で実際に起こりうる話なだけにリアリティーもあり、それに日本であおり運転が昨今問題となっているのを考えると一種の社会派映画のようでもあり、昔見た時とは別の面白さもある。間違いなくスピルバーグ一番の傑作だと思う。少し悩んだが思い切って10点を。(2019年12月8日更新)