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<ネタバレ>「柳生一族の陰謀」に始まる東映大型時代劇の3作目。冒頭、宇宙空間を移動する隕石で始まるというのが意表を突きまくっていて、ここだけ見ると東宝の特撮映画のようだが、それをバックにナレーターの小松方正が関ヶ原の合戦や徳川家康について説明しているというのがなんともシュールだ。ストーリーはその家康(萬屋錦之介)の首を真田幸村(松方弘樹)率いる真田十勇士が狙うというものだが、十勇士の一人である猿飛佐助(あおい輝彦)が実は宇宙人であったというオチや、他人の心を読むことができる能力を持つ三好清海入道(秋野揚子)など「柳生一族の陰謀」よりも荒唐無稽さがアップしていて、どちらかと言えば同じ真田十勇士を題材にした東映時代劇「真田風雲録」に影響されているのかなとも思う。本作はそれまでこの路線の時代劇2本を手がけた深作欣二監督に代わって中島貞夫監督が手がけているが、「柳生一族の陰謀」に比べてテンポがゆっくりとしていて、合戦シーンもなにか物足りなさを感じ、もう少し勢いが欲しかったところか。ラストの家康の首が宙に舞うシーンは思っていたよりも意外にあっさりしているように感じた。出演者の中ではなんといっても悪役である家康を演じる錦之介の存在感が圧倒的で、老けメイクも含めてインパクトのある熱演を見せていて印象的だ。JACの面々が出演しているが、千葉真一がいないなと思ったら後半に松方弘樹演じる幸村の片目に矢が直撃して失明する描写があったのは驚いた。それにしてもこの映画、もし「真田風雲録」と同じ加藤泰監督が手がけていたらどんな映画になっていただろう。ちょっと見てみたかった気もする。