内田吐夢監督、片岡千恵蔵主演による「大菩薩峠」三部作の一作目 .. >(続きを読む)
内田吐夢監督、片岡千恵蔵主演による「大菩薩峠」三部作の一作目。何年か前に見た時は話についていきづらく、途中で屈折してしまったが、大映(市川雷蔵)や東宝(仲代達矢)で製作されたものを見ているなら、この東映版も見ておこうと思い、再挑戦。千恵蔵の机龍之介は、この頃の千恵蔵の年齢が50歳を超えていたこともあり、先の二人がそれぞれ20代、30代だったのに比べれば若さという点ではだいぶ劣っているが、狂気じみた独特の存在感とオーラがあり、不思議と違和感を感じない。映画としてはまだ三部作の最初だというのに展開がやたら早く同じく三部作だった大映版のほうがややゆったりとしてる印象ではある。しかし、大映版と東宝版を既に見ているのもあるのかも知れないが以前見た時のような退屈感はなく、むしろ本作は本作なりに見ごたえがありけっこう面白かった。のちに「宮本武蔵」五部作で内田監督と組むことになる錦之助が兵馬を演じているが、その初々しさも印象的。