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<ネタバレ>シリーズ第2作。前作で中野学校を卒業し、任地へ向かった次郎(市川雷蔵)が列車の中で草薙(加東大介)から別の指令を受け引き返す冒頭はやや拍子抜けしてしまうものの、新型砲弾をめぐる攻防が描かれていてスパイ映画らしい内容になっているし、次郎の母親のその後についても触れられるところは前作とのつながりも感じさせてくれて良く、全体的に地味な印象を受けるものの、続編としてはまずまずといったところ。雷蔵演じる次郎も相変わらずクールでカッコよく、それでいて商人に変装して敵に近づくシーンなどは彼ならではの芸達者ぶりが堪能できて、まさに雷蔵の魅力が詰まっていて、やはりこのシリーズの魅力は主演の市川雷蔵自体にあるのだと早くも2作目にしって感じることができる。スパイアクションものというよりはミステリー要素が強く、刑事ドラマのような雰囲気があるのもまた良い。ツッコミどころも多い映画ではあるが、それも微笑ましく見ていられる。でもやっぱり、次郎に病気の母親の見舞いに行くように促す草薙はさすがに違和感があり、いくら演じているのが加東大介とはいえ、こんな人情派なスパイ組織のリーダーはいないだろうと突っ込まずにはいられず、この部分だけで前作ではそれほど感じなかったミスキャスト感が思いっきり出てしまっているのが残念。前作の増村保造監督に続いて今回は森一生監督が手掛けていて、この二人がこの翌年に雷蔵の「ある殺し屋」の脚本と監督をそれぞれ手掛けるのはなにか感慨深いものがある。