冒頭のハイテンションなナレーション(「幕末太陽伝」と同じ加藤 .. >(続きを読む)
冒頭のハイテンションなナレーション(「幕末太陽伝」と同じ加藤武)から一気に引き込まれた。その後すぐの国会での菅井きん演じる女性議員(「ゴジラ」)と山村聡演じる大臣との質疑のシーンから川島雄三監督らしいテンポのいい演出で見ていて楽しいし、それでいながら答弁に対して周りの議員から野次が飛んだりするのもリアルに演出されていて感心した。ほかにも川島監督ならではの笑いが随所に盛り込まれた喜劇映画で、電話越しに婚約者にドラムを演奏して聴かせるフランキー堺(本物のドラマーだけあって上手い。)とか、仮病を使う東野英治郎が最高に笑える。一人三役を演じている三橋達也とかこの後、「暖簾」で再び川島監督と組むことになる山田五十鈴も出ていてなかなか豪華で贅沢なキャスティング。後に裕次郎夫人となる北原三枝は「狂った果実」を見て以降悪女というイメージが個人的には強いのだけれどもこの作品では全く違う魅力を出していてとても良かった。全体的な内容としては少子化の現代に見るとちょっと時代を感じてしまうのも事実であるが、非常に楽しい映画だった。