大阪を舞台に明治・大正・昭和の時代を豪快に生き抜いた一人の男 .. >(続きを読む)[良:1票]
大阪を舞台に明治・大正・昭和の時代を豪快に生き抜いた一人の男の一生を描いた川島雄三監督の映画。川島監督の映画というと、これまで見た限りではちょっと風変わりな映画が多いという印象だが、この映画はとてもオーソドックスな人情劇となっていて久しぶりにとても温かい感動を味わうことができた。主人公のターやんがとても魅力的で演じる辰巳柳太郎が「無法松の一生」のバンツマを思わせていて素晴らしく、特に人力車を引く姿は思わずダブってしまう。ほかにも、妻と孫娘の一人二役を演じる南田洋子(孫娘がターやんを批判して殴ってしまう後半のシーンがなんだか切ない。)は勿論、殿山泰司、小沢昭一、北林谷栄なども実にいい。三橋達也も今回はダメ男ではない孫娘の幼馴染を実にうまく演じていて好印象。既に他の二人の方も書かれているが写真屋で孫娘がマラソン大会の写真を見て自分の両親の存在を知るシーンとラストのプラネタリウムのシーンはこの映画の中でも特に感動的で思わず涙が出そうだった。川島監督、こういう直球ストレートな映画でもこんな名作を作ってしまうなんてやっぱりただ者ではない監督だと思う。[良:1票]