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<ネタバレ>「宇宙小戦争」のリメイク版を見て本作でもスネ夫がメインだったことを思い出して本当に久しぶりに見た。藤子不二雄が別れる直前の作品だが、いかにも藤子・F・不二雄らしいテーマの作品になっていて、絶滅したはずの恐竜が地底で生きていて、その恐竜を祖先とする恐竜人という発想などはさすがに作者の恐竜好きという趣味の部分が炸裂していて抜群だし、純粋にSFとして見ても面白味があるのだが、そういう作者の指向が少し出すぎた感じで、昔から劇場版の中では地味な印象のある映画だったのだが、今見ても地味な印象は変わらず、むしろなぜ地味な印象なのかが今回見たことで分かってしまった感じ。序盤のスネ夫が地底で行方不明になり、竜の騎士が登場するあたりまではつかみはうまく引き込まれるのだが、メンバーがスネ夫と再会してからはそれまでと違う話になってしまった印象で、前半のスネ夫がノイローゼという話もなんのフォローもなく忘れ去られてしまったようになってるのはちょっと残念で、スネ夫の失踪はここへのただのきっかけに過ぎなかったような印象。またバンホーをはじめとした竜の騎士団の目的もなにか釈然とせず、もう少しキャラ設定に一貫性がほしかったところで、悪役を出さないというのもいいが、もう少し早い段階で竜の騎士が悪役なのかそうでないのかをはっきりさせたほうが良かったのではという気がする。風雲ドラえもん城は今見るとかなり時代がかったギャグなのだが、それでもクスっと笑うことができた。(この城での描写を見て「クレヨンしんちゃん」だけではなく、「ドラえもん」の長編劇場版でも本格的な時代劇をやればいいのにとつい思ってしまう。)恐竜の絶滅の原因に彗星衝突説が取られているが、時期的にハレー彗星と掛けているのではと感じてしまうのは仕方ないかもしれない。リメイクがされていない作品だが、その彗星によって大津波が起こるシーンがあり、(スネ夫のノイローゼも今では引っ掛かりそうなのだが)東日本大震災後の現在となってはこれがリメイクされない最大の理由かも。冒険の発端となるのがのび太の0点のテスト答案を隠しにいくというのが「ドラえもん」らしいのだが、エンドロールでそこにしっかりオチをつけているのが良い。(2024年6月16日更新)