若尾文子といえば落ち着いた上品な大人の雰囲気が漂う女優、ある .. >(続きを読む)[良:2票]
若尾文子といえば落ち着いた上品な大人の雰囲気が漂う女優、あるいはちょっと小悪魔的な魅力を持つ女優というイメージがあるのだが、増村保造監督との初コンビ作となる本作では、そのイメージとは違う明るく元気なヒロインを演じていて、川島雄三監督の「しとやかな獣」や「女は二度生まれる」でも印象的だった彼女だが、ここまで爽やかで清潔感溢れる魅力を感じるのは初めてだ。映画の面白さや完成度としては確かに「しとやかな獣」や「女は二度生まれる」、同じ増村・若尾コンビの作品なら「華岡青州の妻」のほうが上だと思うものの、この映画の若尾文子の明るい魅力にはとにかく「やられてしまった」という感じですごくかわいい。そして映画としても増村監督らしいハイテンポな演出も見ていて心地よく、軽い仕上がりになっていて、とても見やすく楽しいものになっている。脇のミヤコ蝶々や南都雄二もいい味を出していて楽しいが、とにかく本作「青空娘」は、何度も同じことをいうようだが、若尾文子、若尾文子の魅力に尽きる映画だ。[良:2票]