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松竹によるリメイク版。映像が白黒からカラーに変わっただけでだいぶ映画全体の印象は異なるので、ちょっと心配な面もあったが、成島東一郎の撮る映像は見事に美しく、映画の叙情的部分を醸し出すのに成功している。豊田四郎監督の東宝版には完成度的に少し及ばないものの、それでもこのリメイク版もなかなかの良作だと思う。東宝版で駒子を演じた岸恵子が素晴らしかったのだが、本作の岩下志麻の駒子も、岸恵子とはまた違った妖艶な魅力を持っていて良かったと思う。加賀まりこの葉子は八千草薫と比べるとやはりちょっと小悪魔的な印象になってしまうのがなんとも言えない。木村功の島村はなんか池部良の島村より積極的でいやな男に描かれてる気がする。東宝版に女中役で出ていた浪花千栄子が按摩の役で再登場したのは偶然なのか、それとも東宝版を意識しての配役だろうか。監督が岸恵子を一躍スターにした「君の名は」の大庭秀雄というのもちょっと興味深いところ。[良:1票]