まず撮りたい画があって、それに合わせてストーリーを構築してい .. >(続きを読む)[良:1票]
まず撮りたい画があって、それに合わせてストーリーを構築していったような印象で、はっきり言ってストーリーはよく分からないのだが、それでもけっこう面白かった。たけし映画はセリフが少ないのが特徴的だが、この映画では音楽もカラオケでベンガルが歌う曲以外は一切なしという徹底ぶりで「その男、凶暴につき」に続いて独特の雰囲気を持った作品となっていて、沖縄、海、空など「ソナチネ」と通ずるようなところがあるのも偶然ではないだろう。「ソナチネ」でも海や空の青がとにかく印象的だったが、わずか2作目にして既に海や空の映像に対してこだわりが見られ、たけし映画の特徴の一つであるキタノ・ブルーと呼ばれる青を強調した映像がこの映画でも美しく表現されており、「その男、凶暴につき」同様、たけしのお笑い芸人とは全く違う映画監督としての北野武を語る上でとても貴重な作品で、特にのちのたけし映画の芸術性はこの映画が原点なのだと思わずにはいられない。個人的には「その男、凶暴につき」のほうが好みだが、この映画もたけし映画の原点として外せない映画ではないだろうか。たけし本人が出ていて、主役ではないのもこれだけのような気がする。(かなり目立っちゃってるけど。)それにしても無名時代のトヨエツが若いなあ。[良:1票]