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<ネタバレ>緒形拳演じるコーチと安田道代演じるヒロインの特訓シーンがひたすら熱く、ここだけ見れば典型的なスポ根映画なのだが、実はヒロインが半陰陽の両性具有だったという設定がいかにも増村保造監督らしい話で、なかなか面白かった。まだ新国劇にいた頃の緒形拳が誰がどう見ても変人・変態の鬼コーチを演じていて、小川真由美をレイプするシーンは怖く安田道代とセックスをするシーンはかなりいやらしく、存在感のある濃い演技を見せていて、若い頃からいい俳優だったんだと感じ、あらためて先日亡くなってしまったことは本当に残念に思う。安田道代も個人的には山本薩夫監督「氷点」の陽子役のイメージが強く、清純派という印象があったが、この映画では増村監督の演出に応えて半陰陽という難しい役どころを清純派イメージとは全く違う体当たりの演技で見事に演じていて素晴らしく、増村監督の相変わらずの女優に対する演出のうまさを感じる。しかし、それにしても本当に変態的な映画だった。今まで見た増村監督の映画の中では自分も特に傑作とは思わないものの、これは増村監督だからこそできる増村監督ならではの映画だと思う。