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<ネタバレ>中島貞夫監督による菅原文太主演の映画「木枯し紋次郎」シリーズ第2作。中村敦夫のテレビシリーズで映像化していなかったエピソードを描いていた前作に対し、オリジナル脚本となっているらしい本作では、紋次郎(菅原文太)と生き別れの姉(市原悦子)の再会を軸にしたストーリーとなっている。この市原悦子扮する姉なのだが、これがいかにも市原悦子という感じのキャラクターになっていてすごくハマっていて、とても印象に残るし、また、そんな市原悦子が演じるからこそ、逆にこの姉の悲しみや哀れみが演じる市原悦子の演技から感じ取れるのがよかった。紋次郎と知り合ったもう一人の男(田中邦衛)とのエピソードもうまく絡めてあって、ドラマとして面白く、個人的には前作より良かったと思う。冒頭からなにか虚無的な雰囲気が漂っていて、それだけで紋次郎の孤独さが伝わってくるのだが、最後に紋次郎が斬った敵の一言が、それをさらに強調してそのまま終わるというのがなんともいえない余韻を残していて、良い。文太紋次郎はこれで終わりなのだが、後年、菅原文太がテレビシリーズを手掛けていた市川崑監督の映画に何本か出ているのは偶然かもしれないが興味深く、市川監督の映画で菅原文太と中村敦夫の共演見たかったとつい思ってしまった。それから、実現しなかった菅原文太と市原悦子の「東京家族」も本作を見たらどんな映画になっていただろうとも考えてしまった。