<ネタバレ>森田芳光監督が脚本を担当した離婚がテーマのホームドラマ。コミ .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>森田芳光監督が脚本を担当した離婚がテーマのホームドラマ。コミカルな雰囲気のタイトルとは裏腹にネタとしてはシリアス。でも、見ていてそこまで深刻な感じはなく、どこかコミカルでからっとした印象が残るのはやはり森田監督の脚本によるものなのだろう。しかし、森田監督と根岸吉太郎監督の作風の違いか同じく家族を描いた森田監督の「家族ゲーム」と比べてしまうと、あくまで正統派な感じで毒気がなく、そこが物足りなく感じてしまい、本作への森田監督の脚本での参加は根岸監督からの依頼だったそうなんだけど、もしも森田監督が自ら監督も手掛けていたらまったく違う映画になっていたかもと思わずにはいられない。でも、根岸監督の演出は丁寧で、傑作・名作とまではいかないもののドラマとしてはそこそこよく出来ていて、森田監督の脚本に多くを求めなければ普通に見られる映画ではある。十朱幸代演じる妻が悩んで疲れていくくだりはなかなかにリアルだし、彼女が小学生の息子たちに向かって「私はあなたたちの悩みを聞いて解決することができるのは自分も経験したことだから。あなたたちが私の悩みを聞いても解決できないのはまだ経験がないから。だから一人で悩んで一人で解決するしかないの。」という言葉を放つのは一見八つ当たりのようにも聞こえるが、思わず同情してしまう部分もあり、印象に残る。それにすべてを描くのではなく、離婚後に愛人と別れたことを夫が「元」家族に告げるところでパッと終わらせるのはそのあとのことを見る側がいろいろ想像できる余地を残しているのがいい。(今どきの映画であればたぶんこうはいかないだろう。)しかし、藤真利子演じる愛人の人物設定はよく分からず、相手の妻に嫌がらせもしておきながら、いざ離婚したとなると途端に別れてしまう神経は意味不明だった。ここをもうちょっと何とかしてほしかったな。夫役の田中邦衛は「北の国から」の五郎とはキャラ的にまったく違う役柄なのだが、「北の国から」とは逆に自らの不倫が原因で離婚をする役柄というのが面白い。[良:1票]