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<ネタバレ>杉田成道監督の「北の国から」以外の作品を見るのは初めてで、だからどうしても「北の国から」のような雰囲気のものになっているのではないかと思ったが、かなり淡々とした時代劇で、「北の国から」とは全く異なった雰囲気の作品になっていて、杉田監督の器用さを感じる。(もし、主題歌や挿入歌にさだまさしを起用していたらそれだけで「北の国から」を連想してしまっていたかも。)赤穂浪士の生き残りを描いた忠臣蔵の後日談ということで、同じ原作者の「四十七人の刺客」(市川崑監督)の続編のような内容で2本セットで見てみるのも面白いかもしれない。ただ、映画としてはそこそこよく出来ていると思うものの、やはり、最後の瀬尾(役所広司)の切腹シーンはくどいし、なにもあんなに直接描かずに観客の想像に任せておいたほうがよかったのではないかと思う。瀬尾が切腹することは映画を見ていても容易に分かるので、ここは観客を信頼して結婚式のシーンで終わるべきだった。それでも映画は見る前の想像よりは面白かったと思う。大石内蔵助を演じていた片岡孝夫は野村芳太郎監督の「配達されない三通の手紙」や「わるいやつら」での印象があるのだが、この映画では随分と貫ろくがつき、演技も渋くなっていてちょっと驚いた。最後にちょこっと出ている田中邦衛は、最近はリアルタイムではほとんど見かけなくなり、DVDなどで若い頃の出演作(若大将シリーズや「仁義なき戦い」シリーズなど。)ばかり見ていたため、なんだか突然老け込んでしまったような感じだった。