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<ネタバレ>「仮面ライダーW」の単独劇場版。44話と45話の間の出来事を描いているが、44話をYouTubeで見終わってすぐに見た。今回は44話でシュラウドが自分の母親であることを明かされたフィリップ(菅田将暉)が目の前に現れた女性・マリア(杉本彩)がシュラウドの正体なのではと疑うのを軸に、T2ガイアメモリを奪った傭兵軍団NEVERとの戦いが描かれているが、このフィリップの母親に対する思いを描くというのは「ビギンズ・ナイト」で翔太郎(桐山漣)と壮吉(吉川晃司)の関係を描いていたのと対になっていて、結果、二人の主人公の内面に関する話を二つの劇場版で描くという構成になっているのがけっこう印象的。「ビギンズ・ナイト」のストーリーは別にテレビシリーズでやってもと思わなくもなかったが、テレビシリーズが終盤に差し掛かっている時期なのもあって、今回のストーリーを劇場版でやったのは正解だったのではないか。見たのは86分のディレクターズカット版だったこともあるのか、この主題の部分もわりとしっかりとしていたように感じた。(DC版が完全初見のため、劇場公開版とどう違うのかが分からないのだが。)今回の敵であるNEVERの面々(彼らの設定は「ユニバーサル・ソルジャー」みたい。)は各自存在感があり、強烈な印象を残しているが、中でもやっぱりリーダーである大道克己(松岡充)が群を抜いていてかっこよかった。Wでは仮面ライダーは希望の象徴として描かれていて、それゆえ、仮面ライダーどうしの対決や対立は基本的にやらず、それが全体のわかりやすさにもつながっているように思うのだが、この克己が変身する仮面ライダーエターナルは完全な悪役として登場しているのは劇場版ならではだろうか。翔太郎が一人でジョーカーに変身して捕らわれたフィリップを助けに行くというのがクライマックスの見どころの一つ。サイクロンジョーカーのデザインが好きなのだが、この全身黒のジョーカーのデザインは旧1号やBLACKを意識したオマージュのように感じる。もっと言えばサイクロンジョーカーの左右非対称の黒緑というデザインはBLACKとRXを意識したオマージュしたものなのだろう。風都タワーの最終決戦を見守る群衆の中にこれまで登場した依頼人たちが紛れているのはグッとくるものがあるのだが、前半のこれまで登場したドーパントたちの再登場と合わせてテレビシリーズも最終回が近いことを感じさせているのがなんだかさびしくもある。