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<ネタバレ>主演のピーター・フォーク自身が監督を手掛けた作品で、コロンボが死体なき殺人事件に挑むエピソード。いつものように倒叙形式で最初から犯人は分かっているが、殺しのシーンが直接描かれないのは新鮮だったし、演じる本人自ら演出していることもあってか、コロンボのキャラクターがいつもよりも魅力的に描かれている。また、それだけではなくちゃんと作品としても面白いものに仕上がっているのに驚かされ、ピーター・フォークの監督としての本作への意気込みのようなものも感じられた。事件の焦点は死体はどこにあるのかという一点のみで、ものすごくシンプルなのだが、コロンボと犯人の攻防の見せ方がうまく、パイルをコロンボに掘り起こさせる犯人のしたたかさと実は出し抜かれたように見せかけて犯人を出し抜いているコロンボの犯人の上をいくしたたかさがよく描かれていて、いつも以上に犯人との対決は見ごたえがあるものになっていたし、ミスリードも利いていて、ラストの一発逆転劇が見ていて気持ち良かった。いちばん最後のシーンで口にくわえた葉巻を捨てて去っていくコロンボが妙にカッコよく、印象に残る。でもよく考えたらこのシリーズでこういう終わり方は珍しい。