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<ネタバレ>高倉健と吉永小百合が初共演した森谷司郎監督による歴史大作。226事件を題材にしているが、本作はそれを起こしたひとりである青年将校 宮城大尉(高倉健)と脱走し処刑された彼の部下(永島敏行)の姉である薫(吉永小百合)のラブストーリーを軸に描かれていて、歴史的事件を描いた骨太な大作映画というよりはまずこの二人の共演ありきの映画という印象が強い。映画としてはこの手の大作にありがちな大味な作品だと思うし、上映時間は2時間半だが、それでわざわざ二部構成にする意味がよく分からないし、その時間配分もちょっとおかしく感じた。高倉健はヤクザ映画やアクション映画で見ることが多くなっていたせいか、ちょっと心配だったのだが、やはりそれらとは違う魅力があってカッコいいと思わせているのはさすがといったところ。あまり映画自体に深みは感じないが、主役ふたりのラブストーリーとしてはそれなりに見れるし、この2年後に同じ監督・主演トリオで東宝で製作される「海峡」よりは高倉健と吉永小百合の共演作としては見どころのある映画にはなっている。しかし、話自体は「海峡」のほうがまだ面白かった気はする。ところで森谷監督は吉永小百合の単独主演映画の監督というのはやっていないんだなとふと思った。