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<ネタバレ>公開当時にすごく話題になったディズニーアニメだが今更初めて見た。(嗚呼、天邪鬼。)すでに公開から5年も経っていて、有名な「ありのままで」をはじめ、劇中楽曲はすべてどこかで聴いたことある曲ばかりで、その面ではあまり初めて見る映画という気はしなかったのだが、それでも思っていたよりは面白かった。アナが猪突猛進な明るいキャラクターに描かれているのに対し、手に触れたものすべてを凍らせる魔法の力を持っているエルサはそれがために長い間、閉ざされた城の一室に軟禁状態というのがかわいそうで仕方がなく、両親にもっとほかになかったのかと問いつめたくなるのだが、このおかげでエルサに感情移入しながら見ることができた。エルサが「レット・イット・ゴー」を歌うシーンがけっしてハッピーなシーンではなく、むしろ正体が露見し、山に逃げ、孤独な身となった状態で歌われていることに、今までこのシーン「だけ」をテレビで本作を取り上げる度に何回も見ているとビックリしてしまうのだが、もう隠し事はやめてありのままの自分でいたいというエルサの気持ちがすごくこめられていて、ここでこの歌を流したのは正解だと思った。(話題になっているからってちょっとこのシーンはテレビで流しすぎていたように思う。)アナが出会ってすぐの王子と婚約するという展開はすごいのだが、この王子が己の私利私欲のために動いている本作の悪役というのは、なんか時代が変わったなあという感想を持った。映画のテーマとしては「レット・イット・ゴー」の歌詞にもあるようにありのままを受け入れる大切さというのもあると思うのだが、それ以上にエルサとアナの確執と和解がテーマとなっている点が面白く、アナにかけられたエルサの魔法を溶かす真実の愛というのが王子とのキスといった異性との愛ではなく、エルサとアナがお互いを思う心だというのが、本作がエルサとアナという姉妹の物語であることを強く感じさせるものとなっている。(普通にアナとクリストフが結ばれることによってアナにかけられたエルサの魔法が解けると思ってたからちょっと意外な感じはしたけど。)ラストの町中の氷が溶けていくシーンは圧巻で、まさに大団円という感じで映画的なカタルシスもちゃんとあるし、ディズニーらしいハッピーエンドなのも良い。どうしても「レット・イット・ゴー」の部分(だけ?)が話題になる本作だが、ヒットした理由はそこだけにあるのではないと感じることができ、それだけでも見て良かったと思える映画だった。ちょっと甘めかもしれないけど、7点を。[良:1票]