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十数年前の初見以来、かなり久しぶりに見た。以前見た時は仙台の壊滅などに衝撃を受けながらも前作「ガメラ 大怪獣空中決戦」のインパクトが強すぎてこの2作目は全体としてはそれほど印象に残っていなかったが、今回改めて見てみると前作より面白かった。前作もかなりリアリティーを持った怪獣映画だったが、本作はそれ以上にリアリティーを感じさせており、自衛隊の描写も「機動警察パトレイバー2」で自衛隊のクーデター事件をリアルに描いていた伊藤和典が書いている上に全面協力のもとで撮影しているだけあって今まで見たどの怪獣映画よりもリアルさが際立っている。ただ、いささか自衛隊の広報のようになってしまった気もするが。後半の自衛隊とレギオンの攻防も自衛隊側に非現実的な描写がないのがいい。レギオンの生態解明に迫っていく部分が前作のギャオスのそれよりもさらに凝っていてよりミステリーとしての面白さがある。特撮部分も草体レギオンのシーンは「ウルトラQ」の「マンモスフラワー」を思わせていて印象的だし、小型レギオンの群れがガメラに吸い付くシーンもなかなかだと思う。レギオンの名前が聖書から取られているのは今にして思えば押井守監督の影響があるのかもしれないなあ。何はともあれ、プレッシャーもあったであろう中で前作に負けないほどの完成度の高い怪獣映画を作り上げた金子修介監督、樋口真嗣特技監督以下スタッフの力量にはおどろかされる。(この勢いが三作目まで持続しなかったのは少々残念だが。)最後に出演者について少し。渡良瀬を演じる永島敏行は「異人たちとの夏」や「地震列島」に続いて今回もレギオンに襲われる吹越満とラサール石井を助けに現れ、もうこういうのが個人的にイメージとして出来つつある。(まあ今回は自衛隊のメンバーということもあるんだけど。)川津祐介は若い頃より年を取ってからのほうが好きだな。そしてワンシーン出てくる小林昭二。「ウルトラマン」や「仮面ライダー」などで特撮ファンにはお馴染みの俳優(1976年の「犬神家の一族」以降の市川崑監督作品の常連でもある。)で、幼い頃からとても好きな俳優なのだが、特撮作品ではこれが遺作なのかと思うとなんだか切なくなってくる。(2010年4月17日更新。)[良:1票]