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<ネタバレ>シリーズ第2作。主演は前作同様に刑事を演じる丹波哲郎なのだが、実際見てみると渡辺文雄演じる裏とつながった氷屋の社長が主人公のように見え、彼がヤクザと手を結び、のし上がっていく物語になっていて、丹波哲郎の出番は比較的少なめな感じだった。渡辺文雄は前作でも悪役で出演していたが、今回もはまり役で、丹波哲郎の追及をのらりくらりとかわしていくふてぶてしさが素晴らしい。一方でさっき書いたように丹波哲郎の出番が少なめなためか、刑事たちの捜査に対する執念というものが前作より弱かった気がする。それでも本作は前作同様にヤクザを美化した内容にはなっていないのがこの時代の東映ヤクザ映画とは一線を画すところ。逮捕された直後の渡辺文雄をバックについていた柳永二郎演じる大物の命を受けた部下たちがあっさりと殺してしまうラストシーンにヤクザ社会の非情さというものがしっかりと描かれていて、のちの実録路線のヤクザ映画にも通じるところのある映画になっているのが良い。このラストシーンは前作のラストシーンよりも救いがなく、やるせない気持ちになり、茫然と立ち尽くしている丹波哲郎と同じく、見ている側も茫然とするしかないのだが、これは佐藤純彌監督をはじめとするスタッフの狙いなのだろう。そして、トカゲの尻尾切りのように悪人を捕まえても結局、まだその上がいて、悪は無くならないという社会的メッセージを感じとることができる。これがこの当時の佐藤監督の作風によるものなのかはわからないが、このシリーズは2作とも単なる東映のヤクザ映画ではなく、とても見ごたえのある社会派映画の傑作だったことは確か。