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<ネタバレ>シリーズ第1作。このシリーズは中学の頃によくテレビで見ていてかなり好きだった(今でも武田鉄矢といえば片山刑事のイメージが個人的には強い。)が、なぜかこの1作目だけは全く放送されず見る機会がなかった。それを今回、DVDにてようやく見ることが出来た。約13年ぶりの片山刑事との「再会」だったが、武田鉄矢演じる片山のキャラクターやハンガーアクションはとても懐かしかったし、基本的にシリアスなストーリーながら高倉健ファンの女刑事を演じる樹木希林や、西田敏行とのやりとりなどこの1作目から笑える部分もあり、それでいて、片山とヒロインである聾唖の女性との恋愛エピソードは切なく感動的で、この部分の武田鉄矢の熱演もそうだが、ヒロインを演じる有賀久代の演技が素晴らしく、彼女の演技がこの映画に深みを与えているのだと思う。片山が彼女から田中邦衛扮する恋人を紹介されるラストシーンが特に感動的で片山の涙いっぱいの笑顔が最高に切なく、本当にいいシーンで、以前このシリーズは「男はつらいよ」シリーズを参考にしていると聞いたことがあったが、このラストシーンはまさしく「男はつらいよ」を思わせているし、榊原るみ扮するマドンナが知的障害者という設定だった「男はつらいよ 奮闘篇」で養護教諭を演じていた田中邦衛を起用しているあたりにも「男はつらいよ」シリーズの影響が見られ、やっぱり相当意識して作っているのがよく分かる。全体的に見て映画の完成度自体はそれほど高くないと思うものの、じゅうぶんな佳作といえる映画になっていてとても面白かった。(主題歌の「唇をかみしめて」もやはり名曲。)続編も見直したいが、どうやら本作しかDVDが出ていないのが残念。ぜひ、続編4本もDVD化を願うところだ。[良:3票]