<ネタバレ>監督 中田秀夫、原作 鈴木光司、プロデューサー 一瀬隆重とい .. >(続きを読む)
<ネタバレ>監督 中田秀夫、原作 鈴木光司、プロデューサー 一瀬隆重という「リング」トリオによるホラー映画。「リング」では海や井戸が重要な要素として登場していたが、本作は水をテーマにした短編集の一編が原作ということもあり、降り続く雨や湿った空気感などが印象的に描かれ、舞台となる古びたアパートも実にホラー映画らしい雰囲気が感じられるのだが、離婚調停中の女性(黒木瞳)が主人公ということもあり、話としては彼女と幼稚園児の娘(菅野莉央)の親子のドラマが中心になっていて、ただのホラー映画にはしないという製作陣の意気込みも分かるし、実際、シングルマザーの大変さはよく伝わってくる内容になっている。しかし、この母親が情緒不安定気味で被害妄想も強めなので、こんなんで果たして大丈夫なのかと思えてくるし、実際劇中でも指摘されているのはごもっとも。夫(小日向文世)だけでなく幼稚園の職員やアパートの関係者も不快な登場人物ばかりで、仮に本作がホラー映画でなくても怖さを感じるのだが、肝心の行方不明になった少女の悪霊が登場するクライマックスはなんかホラー映画としてはありふれた感じで、それまでの雨や部屋の水漏れによってできた天井の滲みなどの水が登場するシーンや、アパートの不気味さに比べて弱く、煽りは怖かったのにメインは大したことなかったという肩透かし感がある。エピローグの10年後のシーンは別になくてもと思うし、あの大水からよく助かったなあと思えてしまうのだが、ここがあることで後味の悪さをそれほど感じずに見終えれたのはまあ良かったかなと。でも、好みの問題かもしれないが、黒木瞳ってあんまり良い母親には見えないんだよなあ。