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<ネタバレ>シリーズ第7作。マンネリ化を避けるためか第三のトラック野郎としてせんだみつお演じる三番星が新レギュラーとして登場したり、桃さん(菅原文太)の今回のライバル(川谷拓三)がトラック運転手でなかったり、桃さんがマドンナ(原田美枝子)の上司(樹木希林)に惚れられたり、ジョナサン(愛川欽也)がストリッパーに恋をしたりといろいろもりだくさんな今回。途中から少しダレ気味ではあるものの、相変わらず桃さんはバカだけど熱くて男気があり、それを補う魅力がじゅうぶん。丸一日捜しても見つからなかったイルカをライバルと一緒に探しにいき、発見するのもそうだが、台風で遭難し重傷を負ったマドンナの恋人であるライバルを自分のトラックに乗せて病院へ向かうクライマックスにはたとえ相手が惚れた女の恋人であろうともなんとか彼を助けたいという桃さんの当たり前の優しさを感じられる。病院のたらい回し問題がコミカルさを交えて描かれているが、現実はもちろんこんなものじゃないよなという気になってしまった。以前にも桃さんとジョナサンにこけにされる役柄で出演していた金子信雄が山守を思わせる医者役で再び出演しているが、桃さんとのやりとりが広能と山守のそれを思わせていて思わず笑ってしまった。でも、そんな中でも騒ぐ医者に対して桃さんが放つ患者はもっと苦しんでいるんだみたいな言葉はちょっと重みも感じることができたのが良かった。やはりここぞというときにびしっと決めてくれる桃さんは良いなあ。そのほか、三番星が社長になったと父親(辰巳柳太郎)にウソの手紙を送り、それを信じた父親が会社にやってくるというエピソードの結末もなかなか良かった。今回はシリーズの中でもあまり評判のよくない回みたいなんだけど、確かに散漫な部分や、もう少し掘り下げても良かったと思う部分もあって物足りなさがないといえばうそになるが、それでもいわれているほど面白くないという感じはしなかった。最後にもう少し書かせてもらうと、ライバルを演じる川谷拓三は「望郷一番星」のチョイ役からかなりの出世。樹木希林はつい四日ほど前にも「あん」で見たばかりだったので登場したときにあまりの若さに驚いた。(すぐに慣れたけど。)晩年の味のある演技も良いが、やっぱりこういうコミカルな樹木希林も好きだなぁ。