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<ネタバレ>三隅研次監督が初登板となるシリーズ第2作。シリーズで初めて見たのがこの作品で、20年ぶりに見たのだが、この後のシリーズを何本か見ていると、(そんなに多く見たわけではないのだが。)雷蔵の狂四郎は確かに1作目ほどではないにしろ、まだ役をつかみ切れていない感じがするものの、話は1作目より面白く、また、今回のメインゲストとなる勘定奉行 朝比奈(加藤嘉)やおつや(高田美和)とのやりとりも楽しく、そこはそんなに気にならずに見れたし、三隅監督の映像美もシリーズで言えばこの後の「無頼剣」や「炎情剣」の方が今から見れば好みかなと思うものの、それでも三隅監督の映像美は今回ももちろん健在で、雪の降る中での五味龍太郎との対決シーンとか構図も美しく、思わず引き込まれてしまった。今回の狂四郎はお茶に薬を盛られたり、入浴中に刺客に襲われるなど、ピンチシーンも緊迫感というよりはどこか狂四郎の情けなさというのが出ていてそこにもどこか親近感のようなものが感じられる。さきほど書いた高田美和をはじめ、暗躍する女占い師を演じる藤村志保、悪役の久保菜穂子といった女優陣が充実しているのもこのシリーズらしいのだが、やはり、初めて見た時もそうだったのだが、朝比奈役の加藤嘉の飄々とした演技がとても印象的で、この役は今まで見た加藤嘉の演じた役の中では個人的には「砂の器」の千代吉に次いで好きかもしれない。(2022年5月23日更新)