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<ネタバレ>老人介護問題をテーマにしたSFアニメということで見る前はその二つが自分の中でうまくつながらなかったが、実際に見てみると現代にもじゅうぶん通じるような内容でけっこう面白かった。こういう話はあり得ないようではあるが、昨今の科学の進歩を見ると全自動介護ベッドというのは実現の可能性がなくはなく、シュミレーションとしてはかなりのリアリティーが感じられる。Z001の発表会のシーンで超小型の原子炉を内蔵しているが、万が一放射能が少しでも漏れ出しても大丈夫なように設計してある云々と説明され、取材していた記者たちもそれで納得してしまうが、さすがに震災とそれに伴う原発事故のあったあとである今になって見るとドキッとしてしまう。Z001の暴走の原因が、被験者の老人の想いから再現された亡妻の人格で、その結果、Z001が二人の思い出の地である鎌倉を目指すという展開はやや湿っぽく感じるものの、不覚にも少しウルッとさせられた。でもラストシーンの大仏はよけいだった気がする。老人問題という深刻なテーマを扱いながらも、笑えるシーンも多く、重くならずに気軽に見ていられるのは良かった。しかし、それでいて、20年以上前の作品ながら現代を予見したかのような先見の明のあるものになっていて、少子高齢化社会でもある今だからこそ見る価値のある作品だと思う。