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<ネタバレ>今回の犯人は化学エンジニアで、冒頭暗室で爆弾を作るシーンはなかなか期待させられるものがあるのだが、ロディ・マクドウォール扮する犯人の性格が子供じみていて犯行後も挙動不審な態度や行動をとるので、倒叙形式でなくても犯人は見ていてすぐに分かるような感じなのがちょっと残念。でも、頭のいい化学エンジニアの犯人の性格が子供じみているという設定は面白かった。「猿の惑星」で彼が演じたコーネリアスの吹き替えといえば山田康雄というイメージがあるのだが、本作では野沢那智が吹き替えを演じている。その吹き替えもテンションが高く、「汚れた超能力」でも犯人の吹き替えを演じていたが、それ以上にハマっていて、それが今回の犯人 ロジャーのキャラクターをより強烈なものにしていて(本人は少々やりすぎたと言ってたみたいだけど。)、話としては正直それほど面白いものではないのだが、このおかげでロジャーはとても個性的で印象に残る犯人になっていて、彼を見ているだけでも楽しい。(原語版だと印象がまた違うのだろうけどどんな感じなんだろう?)このシリーズ多くの作品でコロンボは高所恐怖症というのが強調されているが、ラストで動いているロープウェイの中で犯人を罠にはめていたのがそれだけに印象的だ。すべてを看破されたあとのロジャーの高笑いも余韻を残す終わり方でけっこう好きなエンディングだった。しかし、コロンボとロジャーの対決はだいぶ物足りず、もう少し見どころが欲しかった。